子どもたちから聞く、心配になる生の声

2023年2月6日

コロナ禍が日常になってしまったこの三年間、弱い立場にある子どもが追いやられたり軽視されたりしがちになっています。実際に文科省が毎年行なっている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、コロナ禍になって特にいじめや不登校が急増しています。文科省は踏み込んだ調査・分析を行なっていませんが、感染症対策が優先されて子ども本位の教育現場の運営が後回しにされているためではないかと心配します。

年齢が高くなるにしたがって不登校児童生徒数が増える傾向にあるのは、成長するに伴なって芽生えてくる子どもの自主性や権利意識を大切にする配慮を、教育現場だけではなく私たち大人が欠いているためではないでしょうか。
ほっとボイスの相談窓口では子どもたちや保護者の生の声を直接受け止めていますが、いろいろな方法で子どもの状態や気持ちを確認したり、意見・希望を聞くことが大切と考えます。稀ではありますが、子どもおよび保護者へのアンケートを使って問いかけている例があるので、アンケート主体の案内と興味深いアンケート結果をご紹介いたします。
子どもの学ぶ力や成長にコロナ禍がどのように影響を与えているかがよくわかり、子どものメンタルヘルスへの影響など、危惧すべき結果も現れています。


国立成育医療研究センター病院と研究所が一体となり、健全な次世代を育成するための成育医療と研究を推進している。成育基本法施行やこども家庭庁設置などの受け皿となる研究機関の一つである。
コロナ×こども本部の研究者と医者などの専門家が、子どもたちの心の問題の早期発見や予防・対策に役立てることを目的にしたアンケート調査を継続的に7回実施して報告しています。
コロナ禍における思春期のこどもとその保護者のこころ実態報告書

全国の子どもと保護者に対して、子どもの情緒や行動について尋ねる郵送およびWebのアンケート(合計約9千)を回収して、思春期の子どもたち(およびその保護者の方々)のコロナ禍で心の状態を分析しています。

Webアンケートは郵送アンケートよりも子どもの情緒的な様子をより鮮明に映す傾向となっているのですが、特に「小学5、6年生の13%、中学1、2年では12%、中学3年では42%が中等度以上のうつ症状にある」という見過ごせない結果となっています。

子どもの権利に関する意見・希望調査
Webアンケートにより2022年3月31日までに112名から回答を得た結果から、小学生は6割以上が「大人が子どもたちの意見を尊重している」と感じている一方で、中学生以上になると約6割が、「大人が子どもたちの意見を尊重していない」と感じているという結果となっています。子どもたちは年齢が上がるにつれて、今の大人や日本社会が子どもたちの意見を尊重していないと表明しています。

新型コロナウイルス感染症の拡大で、子どもたちが上記のような多くのストレスや違和感を抱えていることに対応して、こころの診療部リエゾン診療科がさまざまな対応・処方を実施しています。


全国有志子どもを思う会子どもたちの心の声を聞き全ての大人たちに伝えていきたい。そんな全国で子どもを思う方々が集まった団体である。特にマスクと黙食などの感染症対策に重きを置いている。

全国子ども向けアンケート一覧まとめ
コロナ禍における子どもの実態を調査するため、保護者などが子どもに質問して子どもの声を回答頂く形で行なわれたアンケート(実施期間:2022年5月16日~7月3日、回答数:1593件)では、9割の子どもが「マスクを外したい」、「給食はお話ししながら食べたい」と希望しています。

教育・保育関係者、支援員などから子どもたちの現場の状況を聞いたアンケート(実施時期:2022年11月5日~12月15日、回答数419名)によると、子どもたちの言葉に半数近くが望ましくない変化を感じ取っているようです。

このような子どもの実情や生の訴えを踏まえて、全国有志子どもを思う会では、「子どもの心身への影響を最小限に抑えるため、過度なコロナ感染対策の緩和を求める要望書」を厚労省に提出(2022年9月16日)したり、47都道府県知事・教育長、あるいは1700以上の市区町村 首長・教育長に、子どもたちの声と共に公開質問状を送付したりして対応を求めています。

参考資料

Posted by スタッフ